診療内容について、ご相談・ご質問等、
お気軽にご連絡ください。※お電話のおかけ間違いが多発しております。
ご注意いただけますようお願いいたします。
PANS(小児急性発症神経精神症候群)
不安、感覚過敏、チック、睡眠、排尿、学習、登校
PANS(小児急性発症神経精神症候群)は、それまでの日常から、強迫症状や食事の著しい制限を中心に、不安、感覚過敏、チック、睡眠、排尿、学習、登校など、複数の変化が急に重なって現れることがある状態です。
ただ、実際のご家族のお話を聞いていると、いつも「ある日突然、すべての症状が同時に完成する」わけではありません。
最初は、
「少し不安が強くなったのかな」
「疲れているだけかもしれない」
「学校で何かあったのかな」
と思っていたものが、後から振り返ると、いくつもの変化が同じ時期に始まっていたと気づくことがあります。
一つの症状ではなく、変化の「まとまり」を見る
PANSを疑うきっかけは、不安だけ、食事だけ、学習だけとは限りません。
例えば、ある時期を境に、次のような変化が重なることがあります。
- 一人でいられなくなった
- 手洗いや確認を何度も繰り返すようになった
- 食べられる食品が急に減った
- 音、光、におい、衣服を強く嫌がるようになった
- チックや不随意な動きが現れた
- 字が急に乱れた
- 計算や宿題が難しくなった
- 入眠や夜間覚醒が変化した
- 頻尿や夜尿が始まった
- 学校へ行けなくなった
すべての項目がそろう必要はありません。また、症状の数が多ければPANSと決まるわけでもありません。
確認したいのは、同じ時期に、子どもの生活のどの部分が、以前からどう変わったかです。
PANSの診断では、中心となる症状が急激に現れることが重要です。何か月、何年もかけた緩やかな変化を、すべてPANSと考えるわけではありません。
一方で、症状が急に始まっていても、家族がその全体像に気づくまでには時間がかかることがあります。
特に、もともと不安が強い、感覚に敏感、こだわりがある、発達特性がある子どもの場合は、「以前からの特徴」と「今回、急に変わったこと」が重なって見えやすくなります。
だからこそ、PANSに気づくためには、単に症状があるかどうかではなく、
「以前はできていたことが、急にできなくなっていないか」
「以前からあった特徴が、短期間に大きく強くなっていないか」
「同じ時期に、複数の領域で変化が重なっていないか」
という目で見てあげることが大切です。
「以前はどうだったか」
発症日を無理に一日に決める必要はありません。
「以前はどうだったか」
「何が最初に変わったか」
「その前後に感染や体調変化がなかったか」
「同じ時期に、ほかに何が変わったか」
を時系列で整理すると、医療機関にも経過を伝えやすくなります。
子どもの変化は、気づこうとして見なければ、単なる不安、反抗、登校しぶり、好き嫌い、疲れとして見過ごされてしまうことがあります。
PANSを疑うことは、すぐに診断を決めることではありません。
まずは、その子の「以前」と「今」の違いに気づき、必要な医学的評価につなげることです。