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何回も確認せずにはいられない――「性格?」と思う前に知ってほしいこと
定や持ち物を何度も確認する、同じ質問を繰り返す。性格や心配性に見える行動の背景に、不安や強迫症状が隠れていることがあります。PANSとの関係と、家庭で見てほしいポイントを解説します。
「さっきも確認したよね」が増えていませんか?
「明日の集合、8時だよね?」
「忘れ物はないよね?」
「明日はこの時間で合ってる?」
時間割を見た。
カレンダーも確認した。
ランドセルの中身も確かめた。
それでも、また確認したくなる。
子どもが同じことを何度も聞いたり、予定や持ち物を繰り返し確認したりすると、
「さっきも確認したよね」
「そんなに心配しなくても大丈夫」
「もともと心配性だから」
と思うことがあります。
でも、本人は分かっていないから聞いているとは限りません。
分かっているのに、安心できない
答えは分かっている。
確認もした。
それでも、
「本当に大丈夫かな」
という不安が戻ってきて、もう一度確かめたくなることがあります。
確認した直後は、少し安心するかもしれません。
しかし、その安心が長く続かず、
不安になる → 確認する → 少し安心する → また不安になる
という繰り返しになることがあります。
外から見ると、
- しつこい
- 気にしすぎ
- 心配性
- 性格の問題
のように見えるかもしれません。
けれど本人にとっては、「確認しないではいられない」状態になっていることがあります。
確認を繰り返す症状と脳の回路
強迫症状では、大脳皮質・線条体・視床を結ぶCSTC回路などの神経ネットワークとの関連が研究されています。
簡単に言えば、
「もう大丈夫」と判断して終わらせることが難しくなり、気になることが何度も頭に戻ってくる
という状態を考えると分かりやすいかもしれません。
ただし、確認行動の原因は一つではありません。
一般的な不安や強迫症、発達特性、ストレスなどでも見られるため、何度も確認する=PANSという意味ではありません。
PANSでは、何を見るのでしょうか?
ANSは、急激に始まる強迫症状(OCD)または著しい摂食制限を中心に、同じ時期に複数の精神・神経症状が急に現れることを特徴とする症候群です。
たとえば確認行動だけでなく、同じ頃から、
- 不安が急に強くなった
- 一人でいられなくなった
- 感情の起伏が激しくなった
- 学校で集中できなくなった
- 字が急に乱れた
- 音・光・衣服などを強く嫌がるようになった
- チックや不随意な動きが現れた
- 眠れない、悪夢、夜間覚醒が増えた
- 頻尿や夜尿が始まった
といった変化が重なることがあります。PANSの診断基準でも、不安、情緒変化、学校成績の低下、感覚・運動症状、睡眠障害や頻尿などが随伴症状として挙げられています。
すべてがそろう必要はありません。
大切なのは、
以前のその子と比べて、何が、いつ頃から、どのくらい急に変わったのか
を見ることです。
「性格」で終わらせないために
何度も確認している子どもに、
「もう確認したでしょ」
と伝えたくなることもあると思います。
でも、その子自身が一番、
「分かっているのに、どうしてまた気になるんだろう」
と困っていることがあります。
そのとき、
「この子の性格だから」
だけで終わらせず、
「最近、他にも変わったことはないかな?」
と少し広く見てみてください。
確認行動そのものではなく、変化のまとまりと時間経過を見ることが大切です。
PANSを知ってね
何度も確認する。
同じ質問を繰り返す。
それだけでPANSというわけではありません。
ただ、以前にはなかった強い確認行動が急に始まり、ほかの変化も同じ時期に重なっているなら、
PANSという病気があることを知っておくことが、子どもの変化を理解する一つの手がかりになるかもしれません。
詳しくは
PANS・PANDAS情報サイトhttps://panspandas.jp/
参考文献
- Chang K, et al. Clinical Evaluation of Youth with Pediatric Acute-Onset Neuropsychiatric Syndrome (PANS): Recommendations from the 2013 PANS Consensus Conference. J Child Adolesc Psychopharmacol. 2015.
- PANS/PANDAS consensus document on definition, diagnostic criteria, treatment and follow-up.