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副腎疲労の方は5月からの脱水に注意
― 水だけでは改善しない「ミネラル不足型脱水」 ―
毎年5月頃になると、副腎疲労の患者さんで急に体調を崩す方が増えてきます。朝起きられなくなったり、頭がぼーっとしたり、動悸やめまいが強くなったり、「急に調子が悪くなった」と来院されるケースが目立ちます。しかし実際には、その背景に単純な「脱水」が隠れていることが少なくありません。
副腎疲労様の状態では、コルチゾールだけでなくアルドステロンの働きも低下気味になります。アルドステロンはナトリウムや水分を体内に保持する役割を持つため、その機能が低下すると、身体は水分やミネラルを保持しづらくなります。つまり、副腎疲労の方は「ミネラル不足型脱水」を起こしやすい状態にあるのです。
この時期、「水分をしっかり摂りましょう」と言われることが多いですが、副腎疲労の方では水やお茶だけを大量に飲むことで、逆にミネラル不足が進み、さらに脱水状態が悪化することがあります。水分は摂っているのに身体はだるい、頭が働かない、という状態はまさにその典型です。
副腎疲労を提唱したDr. Wilsonが、朝に少量の塩水を飲むことを勧めていたのも、このような背景があるからだと思います。私自身も副腎疲労が重症だった頃は、カバンに塩を持ち歩き、水や麦茶に塩を入れて飲んでいました。それくらい塩分が不足すると、身体が保てない感覚があったのです。
また、副腎疲労の患者さんには、真面目で集中力が高い「ヒスタミンタイプ」の方が多く見られます。このタイプの方は仕事や勉強に没頭すると、水分補給そのものを忘れてしまいます。さらに現代は「減塩」が強く推奨される社会であるため、慢性的な塩不足が加わり、脱水がより深刻になりやすいのです。
この時期になると、「ラーメンが無性に食べたくなる」「ポテトチップスが止まらない」という方もいますが、それは単なる嗜好ではなく、身体が塩分を求めているサインであることがあります。身体は案外、正直です。
副腎疲労の方は毎年この季節に体調を崩すことが多いのですが、不思議なことに翌年には忘れてしまいます。私自身も毎年5月末頃に脱水気味になり体調を崩していたため、改めてこのことを書いておこうと思いました。
もちろん、高血圧や腎疾患などで塩分制限が必要な方は別ですが、副腎疲労様で血圧が低く、立ちくらみや疲労感が強い方では、適切な塩補充が非常に重要になることがあります。
世間では減塩が推奨される一方で、スポーツドリンクや塩飴は大量に販売されています。本来、日本には昔から味噌汁という非常に優れたミネラル補給文化がありました。朝から味噌汁を飲むだけでも、身体はかなり楽になることがあります。
5月から6月にかけては、暑さに身体がまだ慣れていない季節です。副腎疲労の方は、水分だけでなく、ぜひ塩やミネラルの補給も意識してみてください。身体は意外とシンプルなことで、楽になることがあります。