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グリホサートを知っていますか? 除草剤は私たちの身体にどのような影響を与えるのでしょうか
約10年前、私はアトランタでStephanie Seneff博士の講演を聴く機会がありました。
講演の中で彼女は、
「このままグリホサートへの曝露が続けば、10年後にはアメリカの子どもの半数が発達障害になる」
という非常に衝撃的な予測を示しました。
あまりにもセンセーショナルな内容だったので、今でも鮮明に覚えています。
Stephanie Seneff博士は医師ではありません。専門はコンピューターサイエンスです。しかし、論文解析や分子構造の解析から、グリホサートがミトコンドリア機能、腸内環境、神経系へ影響を及ぼす可能性を指摘し、それが発達障害の増加につながるのではないかという仮説を提唱しました。
それから10年以上が経過しました。
現在、「アメリカの子どもの半数が発達障害になった」という事実はありません。
では、彼女の仮説は間違っていたのでしょうか。
私は、そのようにも思いません。
一方で、「グリホサートだけが発達障害の原因である」と考えることも、あまりにも単純すぎると思っています。
スクエアクリニックではSNPs遺伝子検査を行っていますが、患者さんによって毒素への感受性は大きく異なります。
マイコトキシン(カビ毒)の解毒が苦手な方、有機溶剤の代謝が苦手な方、アルコールを分解しにくい方など、それぞれ異なる遺伝的背景を持っています。
同じ量のグリホサートに曝露しても、全員が同じ影響を受けるわけではありません。
20年ほど前には、「水銀を除去すれば自閉症は改善する」という考え方が世界的に注目された時期がありました。
確かに、それだけで自閉症すべてを説明することはできません。
しかし一方で、スクエアクリニックでもキレーション治療によって水銀などの重金属を排出し、多動が改善したお子さんを何人も経験しています。
また、グリフォサートをはじめとする環境毒素への対策を行い、発語が増えたり、集中力が改善したお子さんも経験しています。
しかし、その改善は決して毒素を排出しただけではありません。
腸内環境を整え、必要なビタミンやミネラルを補充し、運動習慣を取り入れ、睡眠を改善し、必要に応じて感染症の治療も行いました。
つまり、
一つの治療で改善したのではなく、多くの要因を同時に整えた結果として改善した
と考えています。
近年は「グリフォサート陰謀論」や「ワクチン陰謀論」を耳にすることがあります。
私はどちらか一方だけを信じる立場ではありません。
環境化学物質が健康へ影響する可能性は真剣に考えるべきです。一方で、すべての病気を一つの原因だけで説明しようとすると、本質を見失ってしまいます。
スクエアクリニックでは、必要に応じて体内のグリフォサート濃度も測定しています。
実際に高値を示す方は以前より増えている印象があります。
だからといって、「グリフォサートだけ」が問題なのではありません。
現代人はグリフォサートだけでなく、マイコトキシン、重金属、食品添加物、有機溶剤など、さまざまな環境毒素に囲まれて生活しています。
さらに近年は、HHV-6やEBウイルス、ライム病などの慢性感染も、慢性炎症や神経症状に関与するケースが増えており、診療は以前よりはるかに複雑になっています。
私が患者さんにお伝えしたいのは、
グリフォサートを恐れることではありません。
グリフォサートという話題をきっかけに、
「自分の食生活はどうだろう」「住環境はどうだろう」「身体に不要な負荷はないだろう」
と生活全体を見直していただきたいのです。
病気は一つの原因で起こることはほとんどありません。
だからこそ、一つの原因を追い求めるのではなく、身体全体の負荷を少しずつ減らしていく。
それが、私たちスクエアクリニックが目指している医療です。